回転式粘度計の自作方法と注意点

回転式粘度計を自作するときのポイント

回転式粘度計は2つの円筒とコーンプレートで構成されています。いずれもプラスティックで作成可能なので、ホームセンターなどで売られている素材を組み合わせて自作することが出来ます。まず初めに回転式粘度計の単一円筒型と呼ばれる円筒を作っていきます。単一円筒形は筒のような形状になっている物であり、プラスティックの塊をくりぬくようにすると作ることが出来ます。プラスティックはそのままでは切りにくいので、予め熱で温めるなど軟らかくした状態にすることが有効です。試料を中に入れて計測するので、外側はそれほどなめらかでなくても問題がありません。内側は凹凸が出来ないように鑢などで均しておきましょう。

単一円筒が出来上がったら共軸二重円筒を作ります。単一円筒と同様にプラスティックをくりぬくようにすると作れますが、軸が2つの容器を貫けるように長めに切り取ることが大切です。試料を入れるスペースを作ったら完成です。

回転式粘度計の作り方のポイント

回転式粘度計を自作する際に最も難易度が高いのがコーンプレート部分を作ることです。コーンプレート部分が正確に作れていなければ、上手く回転しないという問題が発生してしまいます。それゆえにコーンプレート部分の精度は非常に重要です。自作するためにはポリエチレン管を用意します。このポリエチレン管を5㎝のところで切り、プラスティック板と接合します。熱してプラスティック部分を溶かし、接合させた状態で冷やすと完全に固まります。この時に角度がずれていると回転式粘度計としての精度が極めて低くなってしまうので、必ず垂直になっていることを確認しましょう。

回転式粘度計では回転させるためのリングを使用します。このリングは非常に正確な円であることが求められるので、購入して用意するということも有効です。それが難しい場合にはポリエチレン管を筒などに巻き付けて円状にして切ります。型があればより簡単に自作出来ます。

まとめ

自作した回転式粘度計は市販のものに比べるとやや誤差が出ることもありますが、家庭で使用する上ではそれほど問題のある誤差ではありません。そのため、気軽に粘度を計測したい場合には非常に便利に使えるといえるでしょう。ただし、企業として生産を行う場合にはより高精度の粘度計が必要となるので、専門のメーカーが販売しているものを購入する必要があります。自作と市販のものを上手く使い分けることが非常に重要となっています。